ご親族が亡くなられ、突然のことでお心を痛めていることと存じます。
加えて、喪主として葬儀を執り行うことになり、何から手をつければ良いのか、途方に暮れているのではないでしょうか。
この記事では、真言宗の葬儀について、流れからマナー、お布施に至るまで、一つひとつ丁寧に解説していきます。
真言宗 葬儀の流れ

真言宗の葬儀は、故人様が仏様の弟子となり、大日如来のいる「密厳浄土(みつごんじょうど)」へ旅立つための大切な儀式です。
そのため、他の宗派には見られない特徴的な儀式が含まれています。
突然のことで戸惑うことも多いかと存じますが、全体の流れを把握しておくことで、落ち着いて故人様とのお別れの時間を過ごすことができます。
ここでは、お通夜から葬儀本式までの一般的な流れを順を追って解説します。
真言宗 お通夜の進行
お通夜は、故人様と過ごす最後の夜であり、親しい人々が集まって別れを惜しむ大切な時間です。
真言宗のお通yaも、一般的な仏式葬儀と大まかな流れは似ていますが、読まれるお経などに特徴があります。
まず、僧侶が到着されると「枕経(まくらぎょう)」が始まります。
これは、故人様の枕元であげるお経のことで、ご遺族のみで静かに行われることが多いです。
枕経では、「般若理趣経(はんにゃりしゅきょう)」などが読まれます。
その後、参列者が揃うとお通夜の儀式が始まります。
僧侶による読経と法話があり、それに続いてご遺族、ご親族、そして一般の参列者の順で焼香を行います。
真言宗の焼香の作法については後の章で詳しく解説しますが、基本的には3回行います。
読経と焼香が終わると、僧侶は退場されます。
その後は「通夜振る舞い」といって、参列者へ食事やお酒を振る舞い、故人様の思い出を語り合いながら偲びます。
これは、参列いただいた方々への感謝の気持ちを示すとともに、故人様への供養にもなりますので、喪主として丁寧に対応しましょう。
お通夜の流れは地域や寺院によって多少異なる場合がありますので、不明な点は葬儀社の担当者に確認すると安心です。
真言宗 納棺式の手順
納棺式は、故人様のお体を清め、旅立ちの支度を整えて棺に納める、非常に重要な儀式です。
ご遺族にとっては、故人様のお体に触れることができる最後の機会となることが多く、深い悲しみとともに、感謝の気持ちを伝える大切な時間となります。
まず、「末期の水(まつごのみず)」の儀式を行います。
これは、故人様の口元を水で潤す儀式で、安らかな旅立ちを願う意味が込められています。
次に、ご遺体を清める「湯灌(ゆかん)」を行い、白装束などの死装束を着せ、お顔を整える「死化粧(しにげしょう)」を施します。
そして、真言宗の納棺式で特徴的なのが「土砂加持(どしゃかじ)」です。
これは、光明真言を唱えながら加持祈祷した清らかな砂を、ご遺体にかける儀式です。
この砂には、故人様の生前の罪を消し、体を守る力があるとされています。
土砂加持が終わると、故人様を棺に納め、愛用の品などを一緒に入れます。
最後に棺の蓋を閉め、祭壇に安置します。
この一連の流れを通じて、故人様が安らかに密厳浄土へ旅立てるよう、心を込めてお見送りしましょう。
真言宗 葬儀本式の流れ
葬儀・告別式は、故人様を密厳浄土へ送り出すための最も重要な儀式です。
真言宗の葬儀は、故人様が仏の弟子となり、即身成仏するための儀式が中心となります。
まず、僧侶が入場し、道場を清めるための「洒水(しゃすい)」や「塗香(ずこう)」などの儀式が行われます。
そして、仏・法・僧の三宝に帰依することを示す「三礼(さんらい)」、大日如来をはじめとする諸仏に故人の成仏を願う「表白(ひょうびゃく)」や「神分(じんぶん)」と続きます。
次に行われるのが、故人様に戒律を授ける「授戒作法」です。
僧侶がカミソリを当てる振りをして髪を剃る「剃髪(ていはつ)」の儀式を行い、戒名を授けます。
そして、葬儀のクライマックスともいえるのが「引導の儀式」です。
故人様を仏の世界へ導くための大切な儀式で、印の結び方や真言が授けられます。
また、真言宗の葬儀を特徴づけるもう一つの重要な儀式が「灌頂(かんじょう)」です。
これは、故人様の頭に水をそそぐことで、仏の位に昇ったことを証明する儀式です。
これらの儀式を経て、焼香、出棺へと進みます。
儀式の名称は難しく聞こえるかもしれませんが、一つひとつが故人様の安らかな旅立ちを願う大切な意味を持っています。
じぞ丸真言宗の葬儀の流れは、故人様が仏様の弟子となり密厳浄土へ旅立つための特徴的な儀式が含まれていますね。
真言宗 葬儀のマナー


慣れない葬儀の場では、マナー違反をしてしまわないか不安に思うものです。
特に真言宗の葬儀には、数珠の使い方や焼香の作法など、宗派特有のマナーが存在します。
しかし、事前にポイントを押さえておけば、何も心配することはありません。
最も大切なのは、故人様を敬い、ご遺族を思いやる気持ちです。
ここでは、喪主としても、また参列者としても知っておきたい、真言宗の葬儀における基本的なマナーについて解説します。
服装や香典の準備など、基本的なことから丁寧に説明しますので、安心して葬儀に臨みましょう。
真言宗 数珠の使い方
真言宗で正式とされる数珠は、主玉が108個ある「本連数珠(ほんれんじゅず)」または「振分数珠(ふりわけじゅず)」と呼ばれる長いものです。
もちろん、参列者の場合はどの宗派でも使える略式の数珠でも問題ありません。
数珠の持ち方には作法があります。
移動する際や座っているときは、二重にして左手で持つのが基本です。
房を握るようにして持ちましょう。
合掌する際には、数珠を両手の中指にかけ、そのまま手を合わせます。
房は両手の甲側に自然に垂れるようにします。
この持ち方は他の宗派と異なる特徴的な点ですので、覚えておくとよいでしょう。
数珠は、持ち主のお守りであり、仏様と心を通わせるための大切な法具です。
貸し借りをしたり、椅子の上や畳の上に直接置いたりすることはマナー違反とされています。
使わないときは、ポケットに入れるか、数珠袋に入れて大切に扱いましょう。
正しい数珠の扱い方を心得ることで、より一層心を込めて故人様を供養することができます。
真言宗 服装マナー
真言宗の葬儀における服装は、基本的に他の仏式の葬儀と変わりありません。
喪主やご遺族は、正式な喪服を着用するのがマナーです。
男性は、黒のモーニングコートまたは紋付羽織袴が正喪服となりますが、最近ではブラックスーツの準喪服を着用することが一般的です。
ブラックスーツの場合は、白いワイシャツに黒無地のネクタイを締め、靴下と靴も黒で統一します。
女性は、黒のフォーマルなワンピースやアンサンブル、スーツが基本です。
肌の露出は避け、スカート丈は膝が隠れる長さにしましょう。
ストッキングも黒を選び、靴は光沢のない黒のパンプスが望ましいです。
アクセサリーは、結婚指輪以外は外すのが基本ですが、つける場合は一連のパールネックレスやイヤリング(ピアス)程度に留めます。
髪型は清潔感を第一に、長い髪はシンプルにまとめましょう。
メイクも派手にならないよう、ナチュラルな薄化粧を心がけます。
一般の参列者も、ご遺族に準じた服装で、故人様への弔意を表すことが大切です。
急なことで準備が難しい場合もあるかと存じますが、故人様とご遺族に失礼のないよう、身だしなみを整えて参列しましょう。
真言宗 焼香の作法
焼香は、故人様や仏様への敬意と供養の気持ちを表す大切な儀式です。
真言宗の焼香の作法は、他の宗派と異なる点があるため、事前に確認しておくと当日慌てずに済みます。
真言宗では、焼香を3回行うのが基本です。
この3回という回数には、「仏・法・僧」の三宝に帰依するという意味や、自分自身の心をむさぼり、怒り、愚かさの「三毒」から清めるという意味が込められています。
焼香の具体的な手順は以下の通りです。
まず、焼香台の一歩手前で遺族と僧侶に一礼します。
次に焼香台の前に進み、遺影に向かって一礼します。
右手の親指、人差し指、中指の3本で抹香(粉末状のお香)を少量つまみます。
そのまま、つまんだ抹香を額の高さまで掲げる「押しいただく」という動作をします。
そして、静かに香炉の中に抹香をくべます。
この一連の動作を3回繰り返します。
3回終わったら、数珠を両手にかけ、遺影に向かって合掌し、深く一礼します。
最後に、再び遺族と僧侶に一礼して自席に戻ります。
ただし、参列者が多い場合などには、時間の都合上、回数を1回に省略するよう案内されることもあります。
その際は、心を込めて1回行いましょう。
真言宗 香典の表書きと包み方
香典は、故人様への供養の気持ちを表すとともに、突然の不幸に見舞われたご遺族の経済的な負担を少しでも軽くするという相互扶助の意味合いも持っています。
真言宗の葬儀に持参する香典の表書きは、四十九日までは「御霊前」とするのが一般的です。
もし宗派が分からない場合でも「御香典」とすれば、どの宗派でも使うことができます。
四十九日を過ぎると、故人様は仏様になると考えられているため、表書きは「御仏前」となります。
水引は、黒白または双銀の結び切りを選びましょう。
香典袋の下段には、自分の名前をフルネームで、薄墨の筆ペンか筆で書くのが正式なマナーです。
中に入れるお札は、新札を避けるのが一般的です。
新札しか手元にない場合は、一度折り目をつけてから入れるようにしましょう。
お札の向きは、袋の表側に対してお札の裏側(人物が描かれていない方)がくるようにし、人物の顔が下になるように揃えて入れます。
包む金額は、故人様との関係性やご自身の年齢によって異なりますが、友人や会社関係であれば5,000円程度、親族であれば1万円から10万円程度が目安とされています。
真言宗 お布施の基本
お布施は、葬儀でお経をあげていただいた僧侶への感謝の気持ちとしてお渡しするものです。
これは読経や戒名に対する対価ではなく、あくまでご本尊へお供えする「寄付」という位置づけになります。
そのため、決まった金額というものは本来ありません。
しかし、喪主としてはいくら包めば良いのか、目安を知りたいというのが正直なところでしょう。
真言宗の葬儀におけるお布施の相場は、戒名料や読経料などを含め、30万円から100万円程度と幅があります。
金額に大きな幅があるのは、戒名の位や、お寺との付き合いの深さ、地域性などによって異なるためです。
不安な場合は、葬儀社の担当者や、お寺の方に直接「皆様おいくらくらいお包みされていますか」と尋ねてみても失礼にはあたりません。
お布施とは別に、僧侶に式場までお越しいただいた際の交通費として「御車料(5,000円~1万円程度)」や、葬儀後の会食(お斎)に僧侶が参加されない場合に「御膳料(5,000円~1万円程度)」をそれぞれ別の封筒で用意します。
お布施は、白い無地の封筒に入れるか、奉書紙で包みます。
表書きは「御布施」とし、下段に喪主の氏名または「〇〇家」と記載します。



真言宗の葬儀マナーは特有のものもありますが、故人様を敬う気持ちが何より大切ですね。
真言宗の葬儀とは


真言宗の葬儀は、単なる故人との別れの儀式ではありません。
それは、故人様がこの世での務めを終え、弘法大師空海が開いた教えの根幹である「即身成仏」の考えに基づき、大日如来のいる清らかな世界「密厳浄土」へと旅立つための、非常に重要で神聖な儀式なのです。
そのため、葬儀の中には、他の宗派では見られない密教ならではの深い意味を持つ儀礼が数多く含まれています。
ここでは、真言宗の葬儀が持つ根本的な教えと、その教えを象徴する二つの特徴的な儀礼について、分かりやすく解説していきます。
密厳浄土へ導くという教義
真言宗の教えの中心には、「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」という考え方があります。
これは、「この身このままで仏になることができる」という教えです。
亡くなった方は、ただ消えてしまうのではなく、大日如来という宇宙の真理そのものである仏様と一体になることで、仏としての新しい命を生き始めると考えます。
その仏様の世界が「密厳浄土」です。
つまり、真言宗の葬儀は、故人様を密厳浄土へ「送る」ための儀式であると同時に、故人様が仏様になるための「成仏」の儀式なのです。
葬儀の中で行われる様々な作法は、故人様が生前に身につけてしまった様々な迷いや苦しみを取り除き、心を清らかな状態にして、仏の智慧を授けるためのものです。
喪主やご遺族は、故人様が安らかに仏の世界へと旅立てるよう、僧侶とともにお祈りを捧げます。
この教義を理解することで、葬儀の一つひとつの儀式が、故人様にとってどれほど大切で意味深いものであるかを感じていただけるでしょう。
土砂加持と灌頂の儀礼
真言宗の葬儀を特徴づける二つの重要な儀礼が「土砂加持(どしゃかじ)」と「灌頂(かんじょう)」です。
これらは、故人様が密厳浄土へ至るために不可欠な、密教ならではの神秘的な儀式といえます。
土砂加持は、主に納棺の際に行われます。
清められた砂に、光明真言という特別な真言の功徳を込める加持祈祷を行い、その土砂をご遺体に振りかけます。
この砂には、故人様の生前のあらゆる罪や穢れを消し去り、災難から身を守る不思議な力があると信じられています。
一方、「灌頂」は、もともと古代インドで王が即位する際に行われた、頭に水を注ぐ儀式が起源です。
仏教に取り入れられ、密教では仏の位を授かるための最も神聖な儀式とされています。
葬儀においては、故人様の頭に清らかな水を注ぐことで、正式に仏の弟子となり、仏の位に昇ったことを証明します。
この二つの儀式を通じて、故人様は心身ともに清められ、大日如来の智慧と慈悲を受け、晴れて密厳浄土の一員となるのです。
これらの儀式は、真言宗の死生観と、故人への深い慈しみの心が表れた、非常に大切なものです。



故人様が即身成仏するための神聖な儀式が、真言宗の葬儀の根幹にあるのですね。
真言宗の葬儀に関するよくある質問


ここまで真言宗の葬儀の流れやマナーについて解説してきましたが、まだ具体的な場面を想像すると、細かい疑問や不安が残っているかもしれません。
「焼香の時に、具体的にどうすればいいんだっけ?」「数珠の持ち方はこれで合っているだろうか?」など、いざという時に迷わないよう、特に多くの方が疑問に思われる点をQ&A形式でまとめました。
ここでの解説をもう一度確認しておくことで、当日は自信を持って、落ち着いて振る舞うことができるでしょう。
喪主として、また参列者として、知っておくと安心なポイントを簡潔に解説します。
真言宗 焼香の基本ポイント
真言宗の焼香で最も大切なポイントは、「3回、額に押しいただく」ということです。
まず、自分の順番が来たら、焼香台の前へ進み、ご遺族と僧侶に一礼します。
次に、遺影に向かって深く一礼してください。
そして、右手の親指、人差し指、中指の3本で抹香を軽くつまみます。
そのつまんだ抹香を、目の高さ、額のあたりまで静かに掲げます。
これを「押しいただく」と言います。
この動作には、故人様への敬意や祈りを香に込めるという意味があります。
押しいただいたら、香炉の中にそっとくべます。
この一連の動作を、3回繰り返してください。
3回終わったら、改めて遺影に向かって合掌し、深く一礼します。
最後に、ご遺族と僧侶にもう一度一礼してから席に戻ります。
参列者が多い場合には、1回に短縮するよう案内されることもありますので、その際は指示に従い、心を込めて1回行いましょう。
この基本の流れを覚えておけば、いざという時も落ち着いて対応できます。
真言宗 数珠はどのように扱うか
真言宗の葬儀では、数珠の扱い方に特徴がありますので、ポイントを押さえておきましょう。
まず、葬儀会場内を移動する際や、椅子に座っている間は、数珠を二重にして左手で持ちます。
房の部分を下に垂らし、全体を握るように持つと所作が美しく見えます。
数珠は大切な仏具ですので、直接床や椅子の上に置くことは避け、常に手に持つか、ポケットや数珠袋にしまいましょう。
合掌する時が、最も特徴的な場面です。
長い数珠を両手の中指にかけ、そのまま手のひらを合わせます。
房は、それぞれの甲の外側に垂れるようにします。
この持ち方は、真言宗独特の作法です。
参列者として略式の数珠を使用する場合も、基本的な持ち方は同じです。
左手に数珠を通し、合掌する際にはそのまま両手で挟むようにします。
数珠は持ち主を守り、功徳を与えてくれるものとされています。
大切に、そして作法に則って扱うことで、故人様への供養の気持ちもより深く伝わるでしょう。
真言宗 香典の表書きと金額の目安
香典を準備する際の基本は、表書きと包む金額です。
真言宗の葬儀の場合、表書きは「御霊前」と書くのが一般的です。
これは、四十九日までの間、故人様は「霊」としてこの世とあの世の間にいるとされる考え方に基づいています。
四十九日法要以降は「御仏前」となります。
もし宗派がはっきりしない場合は、「御香典」とすればどの宗派でも使えますので安心です。
名前は表書きの真下に、フルネームで書きましょう。
この際、悲しみを表すために薄墨を使用するのがマナーです。
包む金額は、故人様との関係性によって変わります。
一般的な目安として、ご両親の場合は5万円~10万円、兄弟姉妹の場合は3万円~5万円、その他の親族は1万円~3万円、友人や同僚、近所の方であれば5,000円~1万円程度が相場とされています。
ただし、これはあくまで目安であり、ご自身の年齢や社会的な立場、地域性によっても変動します。
ご遺族の負担にならない範囲で、無理のない金額を心を込めて包むことが最も大切です。
お札は古いものを用意し、人物の顔が下にくるようにして中袋に入れましょう。
真言宗 葬儀の服装で避けるべきこと
葬儀に参列する際の服装は、故人様への弔意を表すための大切なマナーです。
基本は「黒」を基調としたフォーマルな服装ですが、いくつか避けるべきポイントがありますので注意しましょう。
まず、男女ともに殺生を連想させる動物の革製品(バッグや靴、ベルトなど)や、毛皮のコートなどは避けるのが賢明です。
靴やバッグは、光沢のあるエナメル素材や、華美な飾りがついたものは避け、布製か光沢のない革製のシンプルなデザインのものを選びます。
女性の場合、アクセサリーは基本的に結婚指輪のみとします。
もし着けるのであれば、涙を象徴するとされる一連の白いパールか黒いパールのネックレス、または一粒タイプのイヤリング(ピアス)までにしましょう。
二連のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため、絶対につけてはいけません。
また、肌の露出も控えるのがマナーです。
夏場でも、袖のないデザインや胸元が大きく開いた服は避け、スカート丈も膝下以上のものを選びましょう。
派手なメイクやネイル、強すぎる香水も葬儀の場にはふさわしくありません。
清潔感と控えめな装いを心がけ、ご遺族に不快感を与えないよう配慮することが重要です。
真言宗 お布施を渡すタイミング
喪主として最も気を使うことの一つが、僧侶へのお布施を渡すタイミングではないでしょうか。
適切なタイミングでお渡しすることで、感謝の気持ちがより丁寧に伝わります。
一般的に、お布施を渡すタイミングに厳密な決まりはありませんが、葬儀が始まる前の、僧侶が控室に到着されてご挨拶に伺う時か、葬儀がすべて終わり、僧侶がお帰りになる前にお礼を述べる時が最もスムーズです。
どちらのタイミングでも失礼にはあたりませんが、葬儀当日は慌ただしくなることが予想されるため、可能であれば始まる前に渡しておくほうが、喪主としても落ち着いて儀式に臨めるでしょう。
お渡しする際は、直接手渡しするのはマナー違反とされています。
必ず「切手盆」という小さなお盆に乗せて渡すか、もしお盆がない場合は、「袱紗(ふくさ)」に包んで持参し、渡す直前に袱紗から取り出して、袱紗の上に乗せるような形でお渡しします。
その際、僧侶から見て表書きの文字が読める向きにして、「本日はどうぞよろしくお願いいたします」や「本日はお心のこもったお勤めをいただき、誠にありがとうございました」といった挨拶の言葉を添えましょう。



よくある質問を確認しておけば、真言宗の葬儀でも当日に自信を持って落ち着いて振る舞えますね。
まとめ 真言宗 葬儀の要点
真言宗の葬儀は、故人様が大日如来のいる密厳浄土で仏として生まれ変わるための、神聖で重要な儀式です。
突然のことで、多くの不安を抱えていらっしゃったことと思いますが、この記事を通じて、葬儀の流れや特有の儀式の意味、そして守るべきマナーについてご理解いただけたのではないでしょうか。
土砂加持や灌頂といった儀式は、故人様の罪や穢れを清め、仏の位を授けるための大切なものです。
また、焼香を3回行うことや、特徴的な数珠の持ち方など、作法の一つひとつに故人様への深い供養の心が込められています。
何よりも大切なのは、故人様を偲び、安らかな旅立ちを願うあなたのそのお気持ちです。
ここで得た知識を胸に、自信を持って、心を込めて故人様をお見送りください。
もし、まだ何か分からないことや不安なことがあれば、一人で抱え込まず、葬儀社の担当者やお寺様に相談しましょう。
きっとあなたの力になってくれるはずです。




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