引越しや、中古住宅のリフォーム、身近に不運なことが起こったなど、お坊さんや神主さんにお祓いの依頼を検討するタイミングがあるかと思います。
お祓いを依頼するタイミングや理由、神社やお寺への依頼方法、気になる費用相場、そして当日の注意点まで、あなたが知りたい情報を網羅しました。
この記事ではお祓いを行うタイミングや料金相場、依頼手順などを解説していきます。
家に来てもらうお祓いのタイミング

家のお祓いは、人生の節目や気になる出来事があったタイミングで行われることが多いです。具体的にどのような時に依頼を検討すべきか、いくつかのケースを見ていきましょう。
新築や中古住宅の購入、賃貸への入居、さらにはリフォームや不幸があった場合など、状況に応じたお祓いの必要性について解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、最適なタイミングを見つける参考にしてください。
新築住宅を建てるときのお祓い
新築住宅を建てる際には、工事の安全と家の繁栄を願って地鎮祭を行うのが一般的です。これは土地の神様にご挨拶し、工事の安全を祈願する儀式にあたります。
無事に建物が完成し、入居する前にもお祓いを行うことがあります。これを「新宅清祓(しんたくきよはらい)」や「家祓い(やばらい)」と呼び、新しい家を清め、神様のご加護をいただいて新生活を始めるための大切な儀式です。
特に、これまで田畑だった土地や、どのような歴史があるか分からない土地に家を建てる場合は、土地の神様への敬意を示す意味でもお祓いを検討すると良いでしょう。建築会社によっては、地鎮祭や上棟式と合わせて入居前のお祓いもプランに含まれている場合があります。
まずは建築会社や工務店に相談してみるのがおすすめです。家族が末永く安心して暮らせるように、新しい門出を清々しい気持ちで迎えるためにも、入居前のお祓いは意義深いものと言えるでしょう。
中古住宅を購入したときのお祓い
中古住宅を購入した場合、前の住人がどのような暮らしをしていたのか、どのような想いが残っているのかは分かりません。特に、原因不明の体調不良を感じたり、なんとなく家の雰囲気が良くないと感じたりする場合は、お祓いを検討する良いタイミングかもしれません。
前の住人の念や、その土地にまつわる因縁などを清めることで、新たな気持ちで生活をスタートさせることができます。
お祓いは、単に霊的なものを祓うだけでなく、家全体を浄化し、そこに住む家族の運気を上げる効果も期待できます。
家族が安心して、健やかに暮らせる空間を作るために、中古住宅購入後のお祓いは非常に有効な手段です。神社やお寺に相談し、どのようなお祓いが適切かアドバイスをもらうと良いでしょう。
費用や手順についても確認し、納得した上で依頼することが大切です。新しい家での生活を気持ちよく始めるために、ぜひ検討してみてください。
賃貸物件に入居する際のお祓い
賃貸物件の場合、「自分のものではないからお祓いは必要ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、中古住宅と同様に、以前に誰が住んでいたのか、どのような出来事があったのかは分かりません。もし、入居後に原因不明の体調不良が続いたり、なんとなく居心地の悪さを感じたりするようであれば、お祓いを検討する価値は十分にあります。
ただし、賃貸物件でお祓いを行う場合は、事前に大家さんや管理会社に相談することをおすすめします。お祓いの方法によっては、火を使うことや、壁にお札を貼ることなどがあるため、規約に抵触しないか確認が必要です。
また、大家さんや管理会社によっては、過去の入居者の状況などを把握しており、お祓いの必要性についてアドバイスをくれる場合もあります。費用は自己負担となるケースがほとんどですが、精神的な安心感を得るため、そして快適な生活を送るために、賃貸物件でもお祓いを検討してみましょう。
所有物件が事故物件になった場合のお祓い
所有している物件で、残念ながら自殺や孤独死、事件などが発生し、いわゆる「事故物件」となってしまった場合、お祓いは非常に重要になります。これは、次の入居者や購入希望者への配慮はもちろんのこと、物件の所有者自身の精神的な負担を軽減するためにも必要です。
事故物件のお祓いは、通常の家のお祓いとは異なり、より丁寧な供養や浄化が求められる場合があります。
このような場合、神社やお寺に相談し、状況を詳しく説明した上で、適切なお祓いを依頼することが重要です。場合によっては、特殊清掃業者と連携して、物理的な清掃と霊的な浄化の両方を行うこともあります。
費用は状況によって大きく異なりますが、通常の家のお祓いよりも高くなる傾向があります。しかし、事故の記憶を清め、物件を再生させるためには必要なプロセスです。専門家に相談し、適切な対応をとることで、物件に関わる人々の心の平穏を取り戻す一助となるでしょう。
リフォーム時にお祓いが必要か
家をリフォームする際にも、お祓いを検討するケースがあります。特に、間取りを大きく変更したり、水回り(キッチン、トイレ、お風呂)を移動したり、増改築を行ったりする場合です。
古くから、家には「家相」という考え方があり、家の構造や水回りの位置などが住む人の運気に影響を与えると考えられてきました。リフォームによって家の構造が変わることで、家全体の気の流れが変わるとされるため、工事の安全とリフォーム後の家の平安を願ってお祓いを行うことがあります。
また、長年住んできた家の一部を取り壊す際には、家に宿る神様やこれまでの感謝の気持ちを込めてお祓いを行うという考え方もあります。必須ではありませんが、工事を安心して進めたい、リフォーム後の生活を気持ちよくスタートさせたいという場合には、検討してみると良いでしょう。
リフォーム会社や工務店に相談するか、直接神社やお寺に問い合わせてみてください。工事の規模や内容によって適切なお祓いの方法が異なりますので、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。

家のお祓いは、新築、中古購入、賃貸入居、事故物件、リフォームなど、様々なタイミングで検討されますよ。
家や部屋のお祓いを行う理由


そもそも、なぜ家や部屋のお祓いを行うのでしょうか?
その理由は一つではありません。古くからの日本の風習として根付いている側面、前の住人への供養や配慮、そして何よりも、そこに住む家族が安心して健やかに暮らすため、という心理的な側面が大きいです。
ここでは、家のお祓いを行う主な理由について掘り下げていきます。これらの理由を知ることで、お祓いの意義をより深く理解できるでしょう。
日本の風習として定着しているため
家のお祓いは、古くから日本に伝わる風習の一つです。新しいことを始める前や、良くないことが続いた時に、神仏に祈り、場を清めるという考え方は、私たちの文化に深く根付いています。
例えば、建物を建てる前の地鎮祭は、その土地の神様に工事の安全と完成後の繁栄を祈願する儀式であり、広く行われています。同様に、家を新築したり、中古物件に入居したりする際に行うお祓いも、その家や土地に宿る神様へのご挨拶であり、穢れを祓い清めるための大切な習慣とされてきました。
特定の宗教を深く信仰していなくても、「縁起を担ぐ」「けじめをつける」といった感覚で、お祓いを希望する人は少なくありません。科学的な根拠があるわけではありませんが、長年受け継がれてきた風習に従うことで、精神的な安定や安心感を得られるという側面があります。
特に、家族の健康や安全を願う気持ちが強い場合、こうした伝統的な儀式を行うことは、心の支えとなり得るのです。日本の文化や慣習を大切にするという意味でも、家のお祓いは意義のある行為と言えるでしょう。
前居住者の供養のため
中古住宅や賃貸物件の場合、以前にどのような人が住んでいたのか、その家で何があったのかを知ることは難しいです。もし前の住人が病気で苦しんでいたり、不慮の事故で亡くなっていたりした場合、その念が残っているのではないかと考える人もいます。
お祓いには、こうした前の住人の霊を慰め、供養するという意味合いも含まれることがあります。これは、決して前の住人を悪しきものとして捉えるのではなく、安らかに眠ってもらうための配慮であり、敬意の表れです。
特に、事故物件となってしまった場合には、亡くなられた方の供養は非常に重要視されます。供養を通じて、その場所に漂うかもしれない悲しみや苦しみのエネルギーを浄化し、穏やかな空間を取り戻すことを目指します。
お祓いを行うことで、前の住人への敬意を示し、同時に新しい住人が安心して生活を始められるように、場のエネルギーを整えるのです。これは、過去と現在、そして未来をつなぐ、思いやりのある行為とも言えるでしょう。
お寺に依頼する場合、こうした供養の側面を重視したお祓いを行ってくれることが多いです。
安心して生活するため
家のお祓いを行う最も大きな理由は、そこに住む家族が「安心して生活するため」ではないでしょうか。
原因不明の体調不良、悪夢、子どもの夜泣き、家庭内の不和などが続くと、「何か良くないものがいるのでは?」という不安が募ります。科学的に証明できなくても、漠然とした不安感は日々の生活に影を落とし、精神的なストレスとなります。
お祓いは、こうした目に見えない不安を取り除き、心の平穏を取り戻すための有効な手段となり得ます。
専門家である神職や僧侶に家に来てもらい、適切な儀式を行ってもらうことで、「清められた」「守られている」という安心感を得ることができます。これはプラシーボ効果(思い込みによる効果)かもしれませんが、心理的な安定がもたらす影響は決して小さくありません。
家族がリラックスして過ごせる、穏やかで安全な場所であるべき家。その空間に対する不安が解消されれば、家族全体の幸福度も向上するでしょう。
「お祓いをしたから大丈夫」という気持ちが、前向きなエネルギーを生み出し、結果的に家庭円満や健康につながることも期待できます。家族の笑顔と安らぎを守るために、お祓いは有効な選択肢の一つなのです。



家のお祓いは、日本の風習、前居住者の供養、そして何より家族の安心のために行われるのですね。
家のお祓いの方法と依頼先


家のお祓いを決意したら、次に考えるべきは「どこに」「どのように」依頼するかです。
お祓いは主に神社やお寺に依頼するのが一般的ですが、それぞれ方法や考え方が異なります。また、状況によっては不動産会社や専門業者への相談が必要な場合もありますし、自分で行う簡易的な方法もあります。
ここでは、それぞれの依頼先の特徴、方法、そして費用の目安について詳しく解説していきます。
お寺に依頼した場合の方法と費用
お寺に家のお祓いを依頼する場合、仏教の教えに基づいた儀式が行われます。
一般的には、僧侶が自宅に来て、読経や灑水加持(しゃすいかじ:清めた水を振りかける)などによって家全体を浄化し、悪霊や邪気を祓います。特に、先祖供養や不成仏霊の供養といった、霊的な問題が疑われる場合や、事故物件となってしまった場合などは、お寺への依頼が適していると考えられます。
宗派によって儀式の詳細や考え方が異なるため、まずは菩提寺(先祖代々お世話になっているお寺)があればそちらに相談するのが良いでしょう。菩提寺がない場合は、近隣のお寺や、家のお祓いを専門に行っているお寺を探して問い合わせます。
依頼する際は、電話や直接訪問して、お祓いを希望する理由や家の状況(広さ、間取り、気になる点など)を具体的に伝えます。費用は「お布施」としてお渡しするのが一般的で、明確な料金設定がない場合が多いです。
相場としては3万円〜10万円程度が目安とされますが、お寺の格式や地域、お祓いの内容によって変動します。別途、僧侶の交通費として「お車代」(5千円〜1万円程度)が必要になることもあります。
お布施の金額に迷う場合は、直接お寺に目安を尋ねても失礼にはあたりません。当日は、仏壇があればその前で、なければリビングなど清浄な場所で儀式が行われます。
僧侶の指示に従い、心を込めて参加しましょう。
神社に依頼した場合の方法と費用
神社に家のお祓いを依頼する場合、神道の考えに基づいた儀式が行われます。
これは「家祓い(やばらい)」や「清祓(きよはらい)」と呼ばれ、神職が自宅に出向き、祝詞(のりと)を奏上し、大麻(おおぬさ)や切麻(きりぬさ)を使って家全体や気になる場所を祓い清めます。土地の神様や家の神様に感謝を捧げ、家内安全、家族の繁栄を祈願することが主な目的です。
新築や中古住宅への入居時、原因不明の不調が続く場合、あるいは単に家を清めて気持ちよく暮らしたい場合などに適しています。
依頼するには、まず氏神様(地域を守る神社)や崇敬する神社に連絡を取ります。電話や神社のウェブサイトから問い合わせ、出張祭典(神職が現地に出向いて行う祭祀)としての家祓いを申し込みます。
その際、住所、家の状況、希望日時などを伝えます。費用は「初穂料(はつほりょう)」または「玉串料(たまぐしりょう)」として納めます。相場は2万円〜5万円程度が一般的ですが、神社によって規定がある場合や、お供え物の準備が必要な場合もあります。
別途、神職の「お車代」(5千円〜1万円程度)が必要になることが多いです。事前に神社に確認しておくと安心です。
当日は、神棚があればその前で、なければ床の間やリビングなど清浄な場所に祭壇を設け、儀式が行われます。神職の指示に従い、厳かな気持ちで臨みましょう。
自分で家のお祓いを行う手順
専門家に依頼するほどではないけれど、少し気になることがある、という場合に、自分自身で家のお祓いを行う方法もあります。これはあくまで簡易的な方法であり、本格的なお祓いほどの効果を保証するものではありませんが、手軽に実践でき、気持ちを落ち着ける助けになることがあります。
代表的な方法は、塩を使ったお清めです。粗塩(食塩ではなく、天然の塩)を用意し、玄関や家の四隅、気になる部屋などに少量ずつ撒きます。
特に玄関は外からの気が出入りする場所なので、念入りに行うと良いでしょう。撒いた塩は、しばらく置いた後(数時間〜一晩程度)、掃除機で吸い取るか、ほうきで掃き集めて捨てます。
また、日本酒(料理酒ではなく、純米酒など)を小皿に入れて、玄関や各部屋に置く方法もあります。これも空間を清める効果があるとされています。
さらに、部屋の換気をこまめに行い、常に清潔に保つことも重要です。淀んだ空気を入れ替え、整理整頓された状態を維持することは、良い気を呼び込む基本となります。
これらの方法は、費用もほとんどかからず、思い立った時にすぐ実行できます。ただし、深刻な問題を感じている場合や、事故物件などの場合は、自己判断せず専門家に相談することが不可欠です。
自分で行うお清めは、あくまで日常的なケアや、軽い不調を感じた時の応急処置と捉えましょう。
不動産会社や管理会社に依頼する場合
賃貸物件に入居する際や、中古物件を購入する際に、その物件に関して何か気になる点がある場合、まずは不動産会社や管理会社に相談してみるのも一つの方法です。特に、前の入居者の状況や、過去に何か問題がなかったかなど、自分では知り得ない情報を持っている可能性があります。
正直に不安な点を伝えれば、お祓いの必要性についてアドバイスをくれたり、場合によっては懇意にしている神社やお寺を紹介してくれたりすることもあります。
ただし、不動産会社や管理会社自体がお祓いを行ってくれるわけではありません。あくまで、情報提供や専門家への橋渡し役としての役割が期待できる、という程度に考えておくのが良いでしょう。
また、事故物件であることを告知する義務はありますが、それ以外の「心理的瑕疵」については、必ずしも教えてくれるとは限りません。お祓いを正式に依頼する場合は、やはり自分で直接、神社やお寺に連絡する必要があります。
費用についても、基本的には自己負担となります。まずは相談窓口として活用し、必要な情報を得た上で、次のステップに進むのが賢明です。
特殊清掃・遺品整理業者への依頼について
所有物件が事故物件(孤独死、自殺、事件現場など)となってしまった場合、通常のハウスクリーニングだけでは対応できない汚染や臭気が残ることがあります。このような深刻な状況では、物理的な清掃と消臭、除菌を専門に行う「特殊清掃業者」への依頼が必要不可欠です。
特殊清掃業者は、血液や体液の除去、腐敗臭の消臭、害虫駆除など、専門的な知識と技術、装備を用いて現場を原状回復させます。同時に、遺品整理も必要になることが多く、特殊清掃と遺品整理を合わせて請け負う業者もいます。
これらの業者は、物理的な清掃だけでなく、精神的なケアの観点から、お祓いや供養に関する相談に乗ってくれる場合もあります。提携している神社やお寺を紹介してくれたり、清掃作業の一環として簡易的なお清めを行ってくれたりすることもあるようです。
ただし、業者の主業務はあくまで清掃と整理であり、本格的なお祓いは別途、神社やお寺に依頼するのが基本です。特殊清掃や遺品整理の費用は、現場の状況によって数十万円から数百万円と大きく変動します。
まずは複数の業者に見積もりを依頼し、作業内容と費用、そしてお祓いに関する対応について確認することが重要です。



家のお祓いは神社やお寺が一般的ですが、状況に応じて不動産会社や特殊清掃業者への相談も考えられますね。
家のお祓いにかかる費用と料金相場


家のお祓いを依頼する上で、最も気になることの一つが費用ではないでしょうか。「いくらくらいかかるのか見当がつかない」「高額な請求をされないか心配」といった不安を感じる方も多いと思います。
ここでは、一般的な家のお祓いにかかる費用の相場や、どのような場合に費用が高くなるのかについて解説します。事前に費用の目安を知っておくことで、安心して依頼を進めることができます。
一般的なお祓いの費用相場
お祓いの料金相場は万円から5万円程度です。
家のお祓いを神社やお寺に依頼する場合の費用は、依頼先や内容によって異なりますが、一般的な相場を知っておくと安心です。
神社に依頼する場合、「初穂料(はつほりょう)」または「玉串料(たまぐしりょう)」として納めるのが一般的で、相場は2万円から5万円程度です。
これに加えて、神職が自宅まで来てくれるための交通費として「お車代」が別途5千円から1万円程度必要になることが多いです。神社によっては、お供え物を自分で用意する場合と、神社側で用意してくれる場合がありますので、事前に確認しましょう。
お寺に依頼する場合は、「お布施」としてお渡しします。お布施は読経や供養に対するお礼の気持ちを表すもので、明確な金額が決まっていないことが多いです。
相場としては3万円から10万円程度が目安とされますが、お寺の格式や地域、お祓いの内容(供養を含むかなど)によって変動します。神社と同様に、「お車代」として5千円から1万円程度が別途必要になる場合があります。
金額に迷う場合は、遠慮なくお寺に目安を尋ねてみましょう。「お気持ちで」と言われた場合でも、上記の相場を参考に、無理のない範囲で感謝の気持ちを包むのが良いでしょう。
いずれの場合も、費用については事前にしっかりと確認しておくことがトラブル防止につながります。
お祓い費用が高くなる特別なケース
一般的な家のお祓いの相場は前述の通りですが、状況によっては費用が通常よりも高くなるケースがあります。
まず考えられるのが、お祓いを行う家の広さや部屋数が多い場合です。家全体をくまなくお祓いするには時間と手間がかかるため、広い家や部屋数が多い場合は、その分費用が上乗せされることがあります。
依頼時に家の規模を伝えておくと、より正確な見積もりを得やすくなります。
また、事故物件のお祓いは、通常の家祓いよりも複雑で、より丁寧な供養や浄化が必要とされるため、費用が高くなる傾向があります。亡くなられた方への供養や、強い念が残っている可能性への対処など、特別な儀式が必要になることがあるためです。
場合によっては、10万円を超えることもあります。さらに、遠方の神社やお寺に依頼する場合は、当然ながら「お車代」が高くなります。
高速道路料金や宿泊が必要になる場合は、その実費も負担する必要が出てくるでしょう。その他、特殊なお祓い(例えば、井戸のお祓いや樹木伐採のお祓いなど)を合わせて依頼する場合も、追加費用が発生することがあります。特別な事情がある場合は、必ず事前に相談し、費用の内訳を確認することが重要です。



家のお祓い費用は依頼先や状況で変わりますが、相場を知り、事前に確認することが大切ですね。
自宅でお祓いをする場合の注意点


家のお祓いを依頼することが決まったら、当日までにいくつか準備しておくことや、知っておくべき注意点があります。
当日の服装は?何か用意するものはある?
どれくらいの時間がかかる?といった疑問にお答えします。
また、自分でお祓いを行う場合の注意点についても触れておきます。スムーズに、そして敬意をもってお祓いを進めるために、以下の点を押さえておきましょう。
お祓いを行う際の服装について
家にお坊さんや神職の方をお招きしてお祓いをしていただく際、どのような服装をすれば良いか迷うかもしれません。基本的には、神仏や来てくださる方への敬意を示す、きちんとした服装を心がけるのがマナーです。
男性であればスーツやジャケット着用、あるいは襟付きのシャツにスラックスなどが望ましいでしょう。女性の場合も、派手すぎないワンピースやスーツ、ブラウスにスカートやパンツといった、フォーマルまたはセミフォーマルな服装が良いでしょう。
色は黒や紺、グレーなど、落ち着いた色味を選ぶのが無難です。
ジーンズやTシャツ、ジャージ、露出の多い服装(ミニスカート、タンクトップなど)は避けるべきです。
また、素足ではなく、靴下やストッキングを着用しましょう。家の中での儀式とはいえ、神聖な儀式に立ち会うという意識を持つことが大切です。
家族全員が同様に、清潔感のある落ち着いた服装で臨むようにしましょう。ただし、厳格な決まりがあるわけではありませんので、もし服装について不安な場合は、依頼する神社やお寺に事前に確認しておくと安心です。
大切なのは、敬意と感謝の気持ちを表す服装であることです。
お祓いに必要な準備物
家のお祓いを依頼する際、事前に準備しておくものがあるか確認が必要です。
神社やお寺によって、またお祓いの内容によって異なりますが、一般的に準備をお願いされる可能性があるものを紹介します。まず、神社の場合は、神様へのお供え物(神饌:しんせん)の準備が必要になることがあります。
基本は、お米、お酒、塩、水ですが、これに加えて海の幸(昆布やスルメなど)、山の幸(野菜や果物など)を用意する場合もあります。どのような品物を、どれくらいの量用意すればよいかは、必ず事前に神社に確認しましょう。
神社側で用意してくれる場合もあります。
お寺の場合も、お供え物として果物やお菓子などをお願いされることがあります。
また、仏壇がある場合は、事前にお掃除をしてお花やお線香を準備しておくと良いでしょう。神社・お寺共通で、儀式を行う場所に敷くための白い布や、玉串料・お布施を入れるための封筒(白無地のもの)の準備が必要になることもあります。
お祓い当日に慌てないためにも、依頼の際に持ち物について詳細を確認し、リストアップしておくと安心です。特に、お供え物は当日新鮮なものを用意する必要がある場合もあるため、早めに準備計画を立てましょう。
お祓いにかかる所要時間
家のお祓いにかかる時間は、お祓いの内容や家の広さ、依頼する神社やお寺によって異なりますが、大まかな目安を知っておくと当日のスケジュールが立てやすくなります。一般的な家祓いの場合、儀式そのものにかかる時間は30分から1時間程度であることが多いです。
神職や僧侶が到着してから、祭壇(またはそれに準ずる場所)の準備をし、祝詞奏上や読経、家の中の各部屋を回ってのお清めなどを行います。
ただし、これはあくまで儀式自体の時間です。
神職や僧侶が家に来てから準備を始め、儀式が終わり、後片付けをして退出するまでの全体の所要時間としては、1時間半から2時間程度を見ておくと余裕があるでしょう。特に、事故物件のお祓いや、特別な供養が必要な場合は、さらに時間がかかることも考えられます。
依頼する際に、当日の所要時間の目安についても確認しておくと、その後の予定も立てやすく安心です。また、儀式中は静粛にし、携帯電話の電源を切るなど、集中できる環境を整える配慮も必要です。
自分でお祓いをするときの注意点
専門家に依頼せず、自分で家のお祓いやお清めを行う際には、いくつか注意しておきたい点があります。まず、最も大切なのは、これはあくまで簡易的な方法であり、本格的なお祓いとは異なるということを理解しておくことです。
深刻な霊障が疑われる場合や、事故物件などの場合は、自己判断せずに必ず専門家(神社、お寺、場合によっては特殊清掃業者など)に相談してください。安易な自己判断は、問題を悪化させる可能性も否定できません。
自分でお清めを行う場合、使用する塩は食塩ではなく、必ず天然の粗塩を選びましょう。また、撒いた塩や置いた酒は、一定時間後には必ず片付け、ゴミとして適切に処理してください。
いつまでも放置しておくのは衛生的にも良くありません。お清めを行う際は、心を落ち着け、真摯な気持ちで行うことが大切です。
「これで大丈夫」という前向きな気持ちを持つことも、効果を高める要素の一つと考えられます。換気をしっかり行い、家の中を清潔に保つといった基本的なことも忘れずに行いましょう。
自分で行うお清めは、日々のセルフケアの一環として捉え、過度な期待はせず、無理のない範囲で実践することが重要です。



自宅でのお祓いは服装や準備物に注意し、所要時間も確認しておくと安心ですね。
家のお祓いに関するよくある質問
家のお祓いを検討する中で、細かい疑問や不安が出てくることもあるでしょう。ここでは、お祓いに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
お金はいつ、どうやって渡せばいいの?お札はどう扱えばいい?神社とお寺、結局どっちがいいの?といった具体的な疑問にお答えします。
これらの情報を参考に、疑問点を解消し、安心して準備を進めてください。
封筒やお札の取り扱いについて
お祓いの費用(初穂料・玉串料・お布施)は、そのまま現金で渡すのではなく、封筒に入れてお渡しするのがマナーです。
封筒は、白無地のもの、または紅白の水引(蝶結びまたはあわじ結び)がついた祝儀袋を使用します。ただし、お寺へのお布施の場合は、水引がない白無地の封筒の方がより丁寧とされることもあります。
表書きは、神社なら「御初穂料」または「御玉串料」、お寺なら「御布施」と濃い墨の筆ペンか毛筆で書きます。その下に、依頼主(世帯主)の氏名をフルネームで記入します。
中袋がある場合は、中袋の表面に包んだ金額(例:「金 参萬圓」のように旧漢字で書くとより丁寧)、裏面に住所と氏名を書きます。お札は新札を用意するのが望ましいですが、難しい場合はなるべく綺麗なお札を選び、向きを揃えて入れましょう。
お札の肖像画が描かれている面が、封筒の表側の上に来るように入れます。お祓いの後、神社やお寺からお札やお守りをいただくことがあります。
これらは神様や仏様が宿る大切なものですので、粗末に扱わず、神棚や仏壇、または目線より高い清浄な場所に、感謝の気持ちを込めてお祀りしましょう。お札の向きにも注意し、文字が読めるように置くのが基本です。
お祓いのお金を渡すタイミングは?
お祓いの費用(初穂料・玉串料・お布施)をいつ渡すのが適切か、タイミングに迷う方もいるかもしれません。
一般的には、お祓いの儀式が始まる前、または儀式がすべて終了した後のどちらかのタイミングでお渡しします。どちらが良いかは地域や神社・お寺の習慣によっても異なるため、一概には言えませんが、迷った場合は儀式終了後にお礼の言葉とともに渡すのがスムーズでしょう。
儀式が始まる前にお渡しする場合は、神職や僧侶が到着し、挨拶を交わした後、「本日はよろしくお願いいたします。こちら御初穂料(御布施)でございます。」といった言葉を添えてお渡しします。
儀式終了後にお渡しする場合は、「本日は誠にありがとうございました。些少ではございますが、御礼でございます。」などと感謝の言葉とともに渡します。
どちらの場合も、封筒は袱紗(ふくさ)に包んで持参し、渡す直前に袱紗から取り出して、相手から見て正面になるよう向きを変えて、両手で差し出すのが丁寧な作法です。お車代を別途用意している場合は、初穂料やお布施とは別の封筒に入れ、「御車代」と表書きし、一緒に渡すと良いでしょう。
神社とお寺、どちらに依頼すべき?
家のお祓いを依頼する際、神社とお寺のどちらにお願いすれば良いのか、迷うことがあるかもしれません。
どちらが良いかは、お祓いを依頼する目的や、ご自身の宗教観によって異なります。それぞれの特徴を理解し、自分たちの状況に合った方を選ぶのが良いでしょう。
神社は神道の考えに基づき、主に「祓い清める」ことを目的とします。家や土地を浄化し、神様のご加護をいただいて、家内安全や家族の繁栄を祈願します。
新築や中古住宅への入居、原因不明の不調、運気を上げたい場合などに適しています。特定の霊的な問題というよりは、場を清め、神様との繋がりを求める場合に選ばれることが多いです。
一方、お寺は仏教の教えに基づき、「供養」や「除霊」といった側面が強くなります。前の住人の霊を慰めたり、不成仏霊や悪霊などが原因と思われる問題に対処したりする場合に適しています。
特に事故物件となってしまった場合や、霊的な現象に悩まされていると感じる場合は、お寺に相談するのが良いでしょう。もちろん、お寺でも家全体の浄化や家内安全の祈祷は行っています。
最終的には、ご自身やご家族がどちらの宗教観に親しみを感じるか、どのような目的でお祓いをしたいのかを考慮して決めるのが一番です。菩提寺や氏神様がいらっしゃる場合は、まずそちらに相談してみることをお勧めします。



お祓い費用はマナーを守って渡し、神社かお寺かは目的や状況に合わせて選ぶのが良いでしょう。
まとめ|家のお祓いを依頼する際に押さえておきたいポイント
今回は、家に来てもらうお祓いについて、依頼のタイミングから費用相場、注意点まで詳しく解説してきました。
原因不明の不調や漠然とした不安を抱えている時、家のお祓いは心の平穏を取り戻すための有効な手段となり得ます。大切なのは、自分たちの状況や目的に合った依頼先(神社かお寺か)を選び、費用や準備物、当日の流れについて事前にしっかり確認しておくことです。
お祓いは決して怪しいものではなく、古くから伝わる日本の大切な風習であり、家族の安心と幸せを願う気持ちの表れです。この記事で紹介したポイントを押さえ、疑問や不安を解消した上で、信頼できる専門家に依頼しましょう。
清められた家で、家族全員が安心して笑顔で暮らせるようになることを心から願っています。
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